korenannan’s blog

関東地方某県に住んでいます。日々思ったことを書きます。時々放ったらかしにして期間が空くことがあります

真っすぐな生き方にあこがれる

 寒い。今日は本気だ。頭がチリチリする。

 

 

       思い出す

 大学時代に一般教養(今は般教ってあるのだろうか)でとっていた哲学の先生はかなり変わっていた。

 

 授業内容はまるで雑談のようで雲をつかむような話ばかりだった。

 

 生活も変わっていて、一週間に一回リヤカー(キャリーカートでなく本物のリヤカーらしい)で買い出しに行き、それをアメリカ製の巨大な冷蔵庫に詰めて、あとは外に出ずにずっと研究をしているとご自身で話されていた。

 

 

 また昔バイト先で出会った美大生のことも思い出した。

 

 なんでもそのバイトをするまで一年間何もせずに閉じこもって絵を描き続けていたそうだ。

 

 自分はそれらの話を聞いたとき最初はポカーンであった、次に若干の軽蔑の感情がきた。

 

 今になってわかったことだが、この若干の軽蔑がきた時には本当は

 

 「羨ましいな、でも俺には無理だ」

 

 と思っている。哲学の先生も美大生もともに女性だった。女性には真っすぐさがある人が多い。そこにあこがれる。

 

 

 他にも東京藝大を五回受験した人に会ったこともある(結構いるらしい)。それだけ人生をかけるものがあるのは羨ましい。と今は思う。

 

 人間はあっという間に歳を取って簡単に亡くなってしまう。若いころにそのことに気づけるかでだいぶん生き方が変わってくる。あの頃は社会のレールに乗ること自体が目的になっていた。本末転倒。また後ろ向きだ。

 

 やりたいことを真面目にやる。若いころはそれを不真面目でいけないことだと思っていた。なんでなんだろう。そうまわりに言われ続けたのか?

 

 今になって突然そのことに気づけたのは老いと病と死の気配のおかげだと思う。歳を取ってからのこれらの圧倒的な説得力。他人がなんて言おうとそれらはやってくる。若いころにはいつか自分が年老いて死ぬなんて思いもしなかった。