曇り。
大雨の予報は外れた。
昔ガラケーで読書していた時のことを思い出す。
何故かガラケーでは紙だったら読まないジャンルの本を読んだ。
具体的に言うと俵万智さんの本だ。
あのときは夏だった。
媒体によって読むジャンルが変わるらしい。タブレットでは雑誌がいい。写真がとてもきれいだ。
ガラケーには静けさがあった。画面のサイズと画素数が小さく、字は粗いけれど余計なものが表示されず情報量が少なかった。
本当に文字だけしかなかった。
おまけに持ちやすく、ボタンでページがめくれるのがよい。
スマホのようにページをめくるのに、画面上をタッチしなくていいのも利点だ。
文庫でもいいじゃないか、という気もするけれど、文庫だと距離が近すぎる。生々しすぎる。
ガラケーの四角い枠の中のカクカクの文字。装丁も装飾も何もない。
そのくらい脱色されて?個性がないのが自分にはちょうどよかったらしい。
そうか、紙の本ですら情報量が多かったんだな。なんだか意外な話だ。
何故かそのことを思い出した。今もガラケーを使っているけど、今のガラケーの中身はAndroidOSだ。意外と高性能。
当時のあの感覚は味わえない。
昔を思い出す。それがものすごく楽しい。若い頃には思いもよらなかった感覚。
何かを懐かしむ。歌っぽいな。