曇り。
冬の日といった感じの空。
父はだいぶんよくなってきた。
洗濯物が劇的に減っているのでそれを実感する。
母も自分もへとへとだ。
風邪気味の人間がいるので定期的に換気をする。
そこに父が入ってくる。
「開いている」と一言父は言う。
「窓が開いていて寒いから閉めてくれ」とは言わない。
ほのめかしで相手を動かそうとする。相手が察するのを待つ。それで相手が消耗する。
自分の意思を言わない。自分からは動かない。
「ラストエンペラー」という映画を思い出す。平民になった皇帝。
家庭内に大量の問題があってそれをなんとか整理しようとつとめてきた。
母のことはやや理解できるようになったが、父のことはいまだにほとんどわからない。